問題10 *(機械工作1)
次の1~4の記述は、鋳造・溶接・塑性加工について述べたものです。( )にあてはまる最も適切なものを下の選択肢からそれぞれ1つずつ選び、その記号を答えてください。
1.熱硬化性鋳型に分類される ( ) は、鋳型が薄く強固で寸法精度が高いので、中子に適している。
《選択肢》 ア.シェルモールド イ.コールドボックス ウ.フルモールド
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(答え) ア.シェルモールド(熱硬化性鋳型) *P150
*シェルモールドとは、精密鋳造法の一種で、鋳型が貝殻のように薄くて丈夫な形になる鋳造法です。熱硬化性樹脂を混ぜた砂を加熱した金属製の型板に吹き付けて鋳型を作り、溶融金属を注ぎ込みます。この方法は、寸法精度が高く、表面が滑らかで、通気性が良い鋳物を作ることができ、中子に適している。
2.砂型の鋳型を用いる鋳造法として、( )がある。
《選択肢》ア.ダイカスト法 イ.低圧鋳造法 ウ.フルモールド
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(答え) ウ.フルモールド *P151
*フルモードとは、発泡ポリスチレンなどの模型を鋳物砂に埋め込み、模型を溶湯で溶かして置換していく鋳造法。 砂型や模型を製作する型を必要としないため立ち上げコストや納期を押さえる事ができる。
(参考) ダイカスト法 P148
*ダイカスト法とは、アルミニウムやマグネシウムなどの非鉄金属の合金を高温で溶かして金型に高速・高圧で流し込んで成形する鋳造法の一種です。寸法精度が高く、複雑な形状の製品を大量生産できることが特徴です。
自動車やカメラ、コンピューターなどの部品に広く使われています。さらに大量生産にも対応しやすく、コスト面での利点もある。中でも、アルミニウムはその軽さと、耐久性、リサイクル性、そして省エネルギー性に優れ、ダイキャスト材料として特に重宝されています。
(参考) 低圧鋳造法 P147
*低圧鋳造法とは、金型に溶融金属を低圧・低速で注入することで鋳物を成形する鋳造法です。高気密性や高歩留まりなどのメリットがありますが、時間効率など生産性はダイカスト法より劣るなどのデメリットもあります。
主にアルミニウムの鋳造に用いられ自動車のシリンダーヘッドやホイールなどの製品に使われています。
3.( )アーク溶接には、電極にタングステン棒を使うティグ溶接と、電極に母材とほぼ同様の溶接ワイヤを使うミグ溶接がある。
《選択肢》ア.イナートガス イ.サブマージアーク ウ.セルフシールド
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(答え) ア.イナートガス P175
*イナートガスアーク溶接は,いわゆる不活性ガス(イナートガス)の雰囲気の中で,タングステン電極あるいは金属棒電極(母材とほぼ同様の材質)を用い、母材との間にアークを発生させて、その熱で溶接をさせる。電極にタングステン棒を使うティグ溶接とミ電極に母材とほぼ同様の溶接ワイヤを使うミグ溶接に区分されている。
*サブマージアーク溶接は、事前に粉末状のフラックスを溶接線状に散布しておき、その中に溶接ワイヤを自動送給し、溶接ワイヤと母材との間にアークを発生させて溶接する方法です。P174
*セルシールドアーク溶接とは、ガスシールドアーク溶接やサブマージアーク溶接とは違い、外部から被覆剤やガスを供給することなく溶接する方法である。P176
(参考)
アークとは、電極間に電位差があるときに、気体が電離して電気を通す現象です。電極を引き離すと、電流が途切れないように空気中を流れ続けます。このとき、高温や光が発生します。これがアーク放電と呼ばれるものです。
4.曲げ加工後に荷重を除くと、素材の弾性によって変形が幾分戻る現象を ( )という。 ( ) の量は、降伏点が高く硬い材料ほど大きい。
《選択肢》ア.スプリングバック イ.かえり ウ.キックバック
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(答え) ア.スプリングバック *P213
*スプリングバックとは、鉄パイプ等の鋼材を曲げた時に、曲げた型から外すとある程度復元する現象です。 鋼材を曲げた時に、外側は引張られる力が働き、内側は圧縮される力が働く。