問題1 電気基礎1.2
次の1~10の記述は、電気全般について述べたものです。( )にあてはまる最も適切なものを下の選択肢からそれぞれ選び、その記号を答えてください。
1.豆電球のように、電源から受けた電気エネルギーを他のエネルギーに変換する装置を ( ) という。
《選択肢》
ア.コージェネレーション イ.負荷 ウ.デフレク
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(答え) イ.負荷 *P9
*コージェネレーションとは、天然ガス、石油、LPガス等を燃料として、エンジン、タービン、燃料電池等の方式により発電し、その際に生じる廃熱も同時に回収するシステムのこと。
*デフクレとは、電気自動車(EV)の駆動システムにおいて、デファレンシャル(デフ)と減速機を一体化したものです。デフとは、自動車の旋回時など走行中に発生する左右輪間の回転差を吸収しつつ、両輪と駆動源をつなぎトルク伝達を行う差動装置のこと。
2.ヒューズの材料には、( ) 金属が用いられる。
《選択肢》
“ア.抵抗率が小さく融点の低い
イ.抵抗率が大きく融点の低い
ウ.抵抗率が大きく融点の高い”
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(答え) ア.抵抗率が小さく融点の低い *P55
*ヒューズは電流によるジュール熱により溶けて電流を遮断する。
*配線用遮断器は、一定以上の電流が流れると、バイメタルが作動し電気回路を遮断する。
3.( )を利用すると、冷却・加熱などの精密な自動温度調節が容易にでき、材料の 温度試験などに使う電子冷熱装置として利用されている
《選択肢》
ア.分極作用 イ.ペルチエ効果 ウ.ゼーベック効果
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(答え) イ.ペルチエ効果 *P57
*ペルチエ効果・・・一般に、種類の違う金属(例:銅とコンスタンタン:銅とニッケルの合金の一種で、電気抵抗や熱起電力の特性が優れているため、電気抵抗線や熱電対に用いられるもの)を接合すると接合部で熱の発生や吸収が行われる際の現象をいう。
*ゼーベック効果・・・ある物質の両端に温度差を与えるとその両端間に電位差(起電力)が生じる効果である。 このゼーベック効果はすべての物質で生じますが、物質によって起電力の大きさが異なります。 特に、半導体材料では起電力が大きく、熱電変換材料として盛んに研究が行われている。*P56
*分極作用・・・両極面で生成されたガスが、放散せず極面に付着して層をつくると、これが電気抵抗となり、電流が流れにくくなる。 このように電極表面に発生した電気抵抗により電解電流が流れにくくなることを、分極作用による分極化という。*P73
4.大地に銅板などの電極を埋設して電圧を加えると、電流が流れる。これは大地中のイ オンなどの働きによるものと考えられる。このときの電圧V[V]と電流I[A]の比を ( )抵抗という。
《選択肢》
ア.絶縁 イ.接触 ウ.接地
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(答え) ウ.接地 *P55
*接地とは、いろいろな設備、構造物を導体によって大地と電気的に接続することである。 接地が施される代表的な設備としては、電気設備(電力、信号、通信、無線等)と避雷設備(避雷針、架空地線等)がある。
*イオンとは、原子が電子を失ったり得たりして、正または負の電気を帯びた状態のことです。大地中のイオンとは、土壌や岩石に含まれるイオンのことです。土壌や岩石は、水や空気と接触することで、化学反応や物理的な変化を起こします。その過程で、水溶性のイオンが生成されたり、移動したりします。例えば、雨水に含まれる二酸化炭素と土壌中の炭酸カルシウムが反応して、炭酸水素カルシウムイオンと炭酸イオンを生成します。
5.下図のように抵抗器の抵抗値を数字で表す場合、「100Ω」の横に表記されている文字 記号(K)は抵抗器の ( )を表す。
《選択肢》
ア.抵抗温度係数 イ.許容差 ウ.抵抗率
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(答え) イ.許容差 *P65
*抵抗器の許容差とは、抵抗器の抵抗値が公称値からどの程度ずれていても良いとされる範囲のことです。
*抵抗温度係数とは、あらゆる物質は温度変化によって内部の抵抗値が変化していく。 抵抗器も例外なく温度の変化とともに抵抗値が変化する。 その変化の割合を抵抗温度係数という。P63
*抵抗率とは、電気を通しにくさを表す物性値です。抵抗率は、導体の長さや断面積によらず、材料の種類によって決まります。P60
6.1組の燃料電池の構成単位を( ) という。
《選択肢》
ア.セル イ.エンタルピー ウ.ゲイン
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(答え) ア *P77
*水素酸素燃料電池では、一般的に水素は天然ガスやメタノールから取り出し、酸素は空気中にあるものを取り入れる。電極質を挟んだ構造となる。
*エンタルピーとは、熱力学における物体の持つエネルギーの総量のことです。エンタルピーは、内部エネルギーと圧力と体積の積の和で定義され、すなわち、H=U+PV
*ゲインとは、電気回路の増幅器によって電気信号を増幅すること、またはその増幅の値のことである。
7.コイルを長方形に巻いた方形コイルを磁界中に置き、電流を流すと、方形コイルには( ) が生じる。
《選択肢》
ア.静電力 イ.エアギャップ ウ.トルク
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(答え) ウ *P131
*トルクとは、ある固定された回転軸を中心にはたらく回転力です。つまり、回転する物体に対して、どれだけのねじりの強さがかかっているかを表す量です。トルクは、力と力がかかる位置の距離の積で求められます。トルクの単位はN・m(ニュートンメートル)です。
*エアギャップとは、すきまのある状態ことです。たとえば、コンピュータやネットワークを外部から物理的に切り離すことで、セキュリティを高める方法です。P150
*静電力とは、帯電した物体間に働く引力や反発力のことです。静電力は、クーロンの法則によって計算できます。 P191
8.コイルが1回転すると、回転角は 360°または2π[rad]変化する。このときの単位時 間あたりの角度の変化を ( ) という。
《選択肢》
ア.周期 イ.角速度 ウ.バンク
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(答え) イ P193
角速度とは、物体が回転するときに、単位時間あたりに進む角度のことです。角速度は、ω(オメガ)という記号で表され、単位は[rad/s](ラジアン毎秒)です。
ここで、角速度の単位にrad(ラジアン)/sが使用されることが基本です。
通常は度数(°)で角度を表しますが、角速度においては弧度法での単位rad(ラジアン)を使用します。
度数(°)とrad(ラジアン)の関係は以下の通りです。
*1ラジアン=180°/π
9.対称三相交流回路のY-Y結線において、線電流と相電流の関係は、 ( )である。
《選択肢》
ア.線電流=相電流/√3 イ.線電流=相電流 ウ.線電流=√3×相電流
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(答え) イ *P61(電気回路2)
*注意事項(Y-Y結線)
①相電流=線電流
②線間電圧=√3×相電圧
例:
相電圧が 100 V なら、線間電圧は
VL=√3×⋅100≈173.2 V
③共に120°ずつ位相ずれる(反時計回りに120°ずつだよ間違えやすいよここ )
*相とは、交流電源の波形のズレ(位相差)のことを指します。時間的にずれた電流や電圧の波の1本1本のこと(通常は3本)
*三相交流は、3本の交流電源(電圧)が時間的に120度ずつずれて流れる方式です。
a相・b相・c相とは、三相交流の3つの相の名前です。
名称と内容
a相 ・・・最初の波形(基準)となる相
b相 ・・・a相より時間的に120度遅れた波形
c相・・・a相より240度(またはb相より120度)遅れた波形
相電圧(Phase Voltage):
各相(a相・b相・c相など)の線と中性点(中性線)との間の電圧。
スター結線では各負荷にかかる電圧。
相電流(Phase Current) :
各相に流れる電流。スター結線では負荷を流れる電流そのもの。
線間電圧(Line Voltage) :
2本の線(例えばa相とb相など)の間の電圧。
線電流(Line Current) :
電源側の各線(a、b、c)に流れる電流。
YーY結線の注意事項
相電流=線電流
線間電圧=√3×相電圧
共に120°ずつ位相ずれる(反時計回りに120°ずつだよ間違えやすい)
*中性線は、流れる電流が0になるので省略:
*注意事項(Δ-Δ結線)
電源側と負荷側の両方が三角形(デルタ=Δ)状に接続された三相交流の回路方式。
中性点は存在しません。
Y型結線とはいろいろ違います。
相電圧:Δ型は線と線の間なのでab、bc、caとなる。
線間電圧:VaとVbの電圧差、もちろん相電圧と一致する
相電流:Iab:Δのため、abとなる。(線間電流とは呼ばないらしい。)
線電流:Ia:線の電流。この電流はIabとIcaに分かれる。
Y-Y結線とは違い、
①相電圧=線間電圧
②線電流=√3×相電流
③電流と相電流では位相がずれる(30°ずれる)
10.ディジタル計器で測定したときに「0.01」という数値が示された場合、この数値の有 効数字のけた数は ( ) けたである。
《選択肢》
ア.1 イ.2 ウ.3
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(答え) ア *P94(電気回路2)
(例)0.00754 三桁になる。
有効数字の桁数は、0より前にある数字は数えない。